- 人間臭いという言葉の意味とは?
- 「〜さんって人間臭いところあるんだね」と言われた。これって褒め言葉?それとも馬鹿にしてる?
- 「人間臭い演技」という評価はどんな雰囲気?
- 人間臭いって体臭のことを言うこともあるの?
「人間臭い」という言葉には様々な意味があります。
この意味をしっかり理解して使えている人は少ないのです。
この記事では「人間臭い」という言葉を正しく使えるよう、意味や例文を詳しく紹介しますので、参考にしてみてください。
人間臭いの意味とは?
「人間臭い」という表現について、何となくイメージはできるという人は多いのではないでしょうか。
ですが、改めて意味をたずねられると上手く説明するのが難しいですよね。
「人間臭い」という言葉を正しく使えるよう、まずは意味を掘り下げていきます。
「人間臭い」の意味は人間らしさが感じられるさま
「人間臭い」を辞書で引くと「人間らしさが感じられるさま」と解説があります。
「人間臭い」の「人間」の意味は、「心を持った人間」です。
生物としての「ヒト」ではないのです。
神様や機械などと違い、時には間違ったり悪いこともしたりする。
それでも人を思いやる温かさや優しさを持ち合わせている人間、というニュアンスが含まれています。
「人間」に続く「臭い」は、「~らしい」「~ぽい」といった意味です。
「人間臭い」を言い換えると?
「人間臭い」は、使うシーンによって以下のような言葉で言い換えが可能です。
それぞれ少しニュアンスが違うので気をつけましょう。
- 人情味のある
- 義理人情に厚い
- 人間味のある
- 人間らしい
- 血の通った
- 泥臭い
人情味のある、義理人情に厚いは、人を思いやる優しい人柄を肯定的にとらえた表現です。
一般的に誉め言葉として使われます。
人間味のある、人間らしい、血の通ったは、不完全さや欠点も含めた「人間」の意味合いが含まれています。
否定も肯定もしていない中立的なニュアンスです。
泥臭いは、「洗練されていない」という意味も含まれています。
文脈によっては否定的なニュアンスになるので、注意が必要です。
「人間臭い人」とはどんな人なのか?
「人間臭い」の意味はわかったでしょうか。
意味合いを踏まえて、どんな人が「人間臭い人」なのかを具体的にご紹介します。
「人間臭い人」は喜怒哀楽が分かりやすく感情豊か
「人間臭い」人は、自分の感情に忠実で、喜怒哀楽が分かりやすい人柄です。
時には貧乏くじを引いて、人生で大きな損をしてしまうこともあるかもしれません。
考えが浅く、場当たり的な行動をしたり、欲に目がくらんで悪事に手を出したりしてしまう場合もあります。
もちろん良い部分も持ち合わせているので、欠点はあってもどこか憎めない人という印象を持たれがちです。
「人間臭い人」の雰囲気は?
「人間臭い人」は、子供っぽい雰囲気があります。
喜怒哀楽の感情の変化が分かりやすいことが、この雰囲気に繋がっているのでしょう。
洗練された大人の雰囲気を持つ人は少なく、人によっては無骨で粗野な印象を与えることもあります。
例えば「人間臭い社長」は、エリート街道を歩んできた知的な人というよりも、学歴は無くてもたたき上げで成功した人情家、といった人物像です。
穏やかで悟りを開いているような人格者ではなく、短絡的であまり理知的ではない雰囲気もあります。
頭脳派ではなく、直感や義理人情で動くタイプ。
クールというより熱血漢のイメージが「人間臭い」人が持っている雰囲気です。
逆に、「人間臭くない人」とはどんな人なのか?
それでは逆に「人間臭くない人」とはどんな人だと思いますか。
雰囲気も含め、具体的にご紹介します。
「人間臭くない人」は感情より理性を優先する人
「人間臭くない人」は、理性的で自分の感情をコントロールできる人です。
いかなる場面でも冷静沈着に行動するので、リスクを回避して上手く立ち回ることができます。
計算高くてずるがしこい面が目立つ人の場合は、周りから嫌われることも少なくありません。
何を考えているのかわからない、生活感がない、といった印象を持たれる場合もあります。
ですが自分の感情をコントロールできるので、大きく道を踏み外さない安定感も持ち合わせています。
ただし、善悪とは違った観点なので「人間臭くない=悪」ではありません。
いつもクールで機械っぽい雰囲気
「人間臭くない人」は、クールで論理的・理知的な雰囲気を持っています。
感情をあまり表に出さないので、何となく機械っぽくて無機質な印象を周囲に与えることもあるでしょう。
ですが、人の気持ちが分からない冷血な人は少数派です。
多少、感情表現に乏しいとしても、大抵は自分の気持ちを抑える術を持っている賢い人です。
「あの人は人間臭い人だ」というのは失礼?
「あの人は人間臭い人だ」と特定の人を評した場合、失礼にならないのか気になりますよね。
使い方や対象によって意味が変わってくるのです。
「そんなつもりはなかったのに」とならないよう、注意点を詳しくご紹介します。
「あの人は人間臭い人だ」というのは前後の文脈で意味が変わる
「あの人は人間臭い人だ」と評する場合、前後の文脈で言葉のニュアンスが変わります。
普段はクールな人が親身になってくれた時に、「意外と人間臭い人だ」と言ったとします。
この場合は、思いやりがあるという意味の誉め言葉です。
ですが異性関係が激しい人に「あの人は人間臭い人だ」と言ったとします。
この場合には、自分の欲望に忠実な人という意味合いになり誉め言葉ではありません。
同じ言葉でも文脈で意味が変わってくるので、使う時には注意が必要です。
評価する対象によっては注意が必要
ある人を「人間臭い」と評価した場合、大抵は「人情味がある」と同じ意味の肯定的な表現になります。
しかし、決して完璧ではない等身大の人間というニュアンスも含まれるため注意が必要。
評価する対象によっては失礼になる場合もあるため、違う言葉で言い換えることも重要です。
特に目上の人に使う場合は、「人情味がある」や「義理人情に厚い」などの表現を使うことをオススメします。
誤解される危険がないので安心ですよね。
人間臭いという言葉を使った例文
では最後に、「人間臭い」という言葉を使った例文をいくつかご紹介します。
例文を参考にすることで、より使い方を理解することができるでしょう。
例文1
- あの俳優は、以前はアイドルの雰囲気が抜けなかったが、人間臭い演技をする良い役者になった。
役柄になりきって感情豊かな演技をしているという意味で、褒め言葉として使います。
例文2
- あのお寺のお坊さんは、金儲け主義で人間臭いところが鼻につくからどうも好きになれない。
聖職者なのに自分の欲望に負けていて俗物的だという意味で、否定的な表現として使います。
例文3
- A課長はいつも冷静で切れ者だが、腹を割って話してみると人間臭い所があり好感が持てた。
人情味がある、心が温かい、話が分かるといった意味で、誉め言葉として使います。